2017.11.28 壁紙・クロスの掃除方法とキレイにするコツは?|ズバッと解決!<季節のお悩み相談室>
壁って、意外と見えてませんよね。せいぜい目の高さくらいなら汚れにも気づきやすいかもしれませんが。天井を頻繁に眺めるようなお部屋も普通は寝室くらい。それでも皆さん、メガネやコンタクトを外して横になるわけで、どうしたって天井近い壁の汚れなどは目に入りにくいのです。
そんな中カーテン洗濯のついでにしろ、壁の汚れに「気づけ」てラッキー。というのも「壁の汚れ」というのは、じわじわ私たちのQOL(生活の質)を下げてしまいかねないからなんです。
まず壁がうっすら汚れているだけで部屋全体が暗くなります。照明器具は直接何かを照らす効用のみならず、壁や天井に光を反射させることで部屋全体を明るくするものですが、壁の汚れによってその反射率が下がってしまうからです。
それから、お部屋の臭いも壁の見えない汚れ由来であることが多いのです。日当たりや人の出入りの少ない部屋では汚れに見えてひそかにカビが繁殖していることもあり、鼻炎などのアレルギー症状をもたらす原因にもなっています。
そんな壁の汚れはどこからやってくるのでしょう? 壁や天井を汚す主原因とはいったい、何なのでしょう?
その答えは、ずばり「空気」。脚立に上って目撃されたあのホコリは、床などから自動的にジャンプして付着したものではなく、「空気に乗って」運ばれたものです。
一般的に住まいの空気には調理中などに出た油(油煙)、綿ホコリ、砂ホコリ、煤煙(排気ガス)、タバコのヤニ、カビの胞子、花粉、ダニなどの死骸や糞の粉末、水分といった、さまざまな「汚れのもと」が含まれています。
汚れの一部は、水分(湿気)などで重くなり床や棚の上に落ちますが、高い位置まで人の移動などによって舞い上げられ照明器具の上に積もったり、天井や壁に付着したりするものがあります。
お部屋の形状や、エアコンなどによる風の当たり方によって著しく汚れやすい壁もありますが、基本的に壁は床や棚上ほど汚れが溜まりやすい場所ではありません。少しずつ少しずつ汚れが溜まり、気付かれにくいといった特徴は、良くもあり、悪くもあるわけです。
そんな壁を掃除するには、まず自分が暮らしている住まいの壁の材質は何でできているのか正確に把握すること。あまり一般的ではありませんが「漆喰」「珪藻土」「プラスター」「じゅらく壁」といった「塗り壁・土壁」の類は、仕上がりに味があり人気がある反面、掃除はしにくい壁材です。
通常「クロス」と呼ばれる「壁紙」には、安価で一般的かつ掃除の容易な「ビニールクロス」のほか、輸入住宅などに見られる「紙クロス」「布クロス」(掃除しにくい)があります。また近年では天然木やコルクを薄くしたもの、じゅらく壁や珪藻土壁のようなもの、防カビや抗菌といった性能を高めたもの、汚れ防止効果の高いもの、ペットの臭い対策が施されたものなど多様な「クロス」が登場しています。
その他木質系の化粧合板や、木目調などの化粧シート(印刷された模様)、焼き物のタイル、調湿や消臭などの機能を高めたパネル状の壁材なども、住まい内の部分部分で取り入れられていることが少なくありません。素材ごとに壁の掃除にあたっての禁忌などもあるので、各々しっかり把握しておく必要があるのです。
まず、壁の材質を問わない、無難な掃除方法のひとつに、「柔らかい素材でやさしく(ホコリを)払う」という方法がありますので、覚えておきましょう。市販の不織布のお掃除シートや、マイクロファイバークロスの類を使用すると便利です。壁の表面に乗っかっているだけの汚れを、わざわざなすりつけないように、軽く拭い去るのがコツです。
油煙やヤニなどでベタついた汚れの場合、やさしく払うだけでは取りきれないので、ややウェットなお掃除シートで力を入れず軽く叩くように汚れを取ります。ただし傷みにくい「ビニールクロス」であっても、よれてしまいやすいので、くれぐれも「ゴシゴシ」しないようにしましょう。土壁などではこの方法が採れないこともあります。
ただし壁にカビが生えてしまったり、カビが壁紙の裏にも回っているような場合には、カビ取りを試みるよりも壁全体の修繕を施す必要があるケースもあるので、状態が悪い場合には掃除の外注業者などに相談して下さい。壁にカビを生やさないためには部屋の換気を怠らないこと、結露が生じないよう湿度を調えることが奏功します。
壁は面積も広く、掃除を失敗するくらいならそのまま放っておきたくなる場所であることはなかなか否定できませんが、汚れを落とすことと壁自体の美観を守ることとを天秤にかけ、掃除の方法や道具を選んで悔いのない掃除を行うようにしてくださいね。